ヤマ神と閻魔大王

インド哲学 ウパニシャッドほか
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カタ・ウパニシャッドの登場人物に「ヤマ神」という神様が登場します。

主人公のナチケータにブラフマンの知識を授ける「先生」の役割を担うのですが、この「ヤマ神」。実は、我々日本人にとって意外と身近な?存在なのです。

表題から既にお気づきかと思いますが(笑)、そう。日本では「閻魔大王」として知られています。

閻魔大王、と聞いて人々はどのような印象を持つでしょうか。

「最後の審判」? 「死神」? 「地獄」?

いずれにしても、「死」を連想させる…というかドンピシャで死とつながっていることから、少なくとも「大好き」という感情を持つ人はほとんどいないのではないでしょうか。

少し「閻魔大王」と印象は違うかもしれませんが、ヤマ神も紛れもなくLord of death… 死を司っている神です。

きっと、2020年-今も「大勢の人」がヤマ神のところに向かったので、大変お大忙しいことでしょう(^^;)

さて、人間から怖がられ畏れられている神、「ヤマ神」ですが、本当のところどのような神様なのでしょうか?

「意外な」答えが、カタ・ウパニシャッドを学ぶと見つかります。

まず、ヤマ神は太陽神の子どもです。太陽神はブラフマンの知識を持ち、教えることができる存在でした。

そして子どもであるヤマ神もまた、太陽神と同じくブラフマンの知識を持ち、知らない者を教え、導くことができる存在でした。

さて、ナチケータがヤマ神を訪れて教えを乞うたときに、一体どのような態度をヤマ神は取ったと思いますか?

ナチケータは、バラモンの家系に生まれた大変賢い男の子ではありますが、年齢的にはまだ10-12歳くらいの小さな子どもです。

ヤマ神は「子どもが何しに来た。帰れ」と追い返したのでしょうか?

それとも、鼻から馬鹿にして相手にしなかったのでしょうか?

はたまた、無条件に死をもたらしたのでしょうか?

その、いずれでもありませんでした。

さすがにテーマがテーマ…「神様でもかつて疑問に思ったことがある」という難解なブラフマンの知識です。

このことから、即「教えてやる」とはなりませんでした。

「果たして、この男の子は本気なのか? どのくらいの覚悟と、学ぶ準備が出来ているというのか?」

まずはこのことを確かめようとして、ナチケータに現世での物質的快楽や欲求を満たす、様々な代替え案を提示します。

しかしナチケータは、それらの魅力的なofferを速攻拒否したんですね。

「私はあなたを師として選んだ。あなた以外の方に教えを乞うつもりはないし、自分の願いを他のものに替えるつもりもない。どうか、お願いします。教えてください」という強い意志をヤマ神に伝えました。

その姿を目の当たりにしたヤマ神は「この子は本気だ。そして、その準備も整っている」と判断して、ナチケータに教えを授けることを決意しました。

この後は、ヤマ神がナチケータに教えを授ける場面へと続いていきます。

さて、概要だけですが知ってみていかがでしょうか? ヤマ神の印象…変わりませんでしたか?

怖い?  いや、むしろ情け深く、慈悲慈愛に満ち溢れた存在と言えるのではないでしょうか。

まさに、神。

ヴェーダの先生からも、「ナチケータはヤマ神に導かれてブラフマンの知識を得ることができた。そしてナチケータの努力や熱意によってヤマ神もまた、人々から怖がられていた存在から、慈悲深い存在として認識されるようになった」

と教えていただきました。

多くの人が「死」を恐れ、忌み嫌いますが、ヴェーダを学んだりスピリチュアリズムの霊的真理(シルバーバーチの言葉)を学ぶと、死への恐れは嘘のようになくなります。

自分も「死」自体は怖くありません。ただし「痛い・苦しい」のは嫌なのでそうではない「死」を、できればピンピンコロリを願ってはいますが(笑)

なので、自由が何らかの勢力によって奪われるくらいなら死んだ方がマシ、というのはブラジルの大統領(でしたっけ?)に激しく同意…という気持ちでいます。

なのでこれからはもうジタバタせずに!?…ヤマ神にお会いして教えを授けてもらう日を楽しみに、(残り少ないかもしれない)日々を淡々と過ごしていこうと思います。

最後になりましたが、ヤマ神と日本語の「山」に、何かつながりがあるのかどうかは分かりません。

ただ、数年前から不思議と山が大好きになり、山を眺めているととても心が落ち着きます。なので勝手に?「あそこにヤマ神がいるのかも〜」といつも思いながら眺めています。

ヴェーダの先生が時々、「ヤマ神が我々をヴェーダ(ウパニシャッド)を学ぶように導いてくれた。感謝しましょう」と仰います。

山を眺めていると、その言葉もいつも思いだして、感謝の気持ちで心が一杯になります。

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