前回の続き…といいますか、井上智洋先生の本があまりにも興味深くて、もう少しメモしておきたい点を挙げてみたいと思います。
① 国の借金はいずれ消滅する
なんともインパクトのある項目です(笑) 日本の借金のあまりの多さに、不安感を持っている日本人は多いのではないでしょうか。このままではいずれ日本は破綻する、など論じられているのを目にする機会も多いかと思います。
そんな中で「いずれ消滅する」という朗報!!\(^o^)/ しかも、専門家である経済学者からの情報なので説得力もあります。
いかにして700兆円といわれる借金を減らすのか!?
その「簡単な方法」とは、「ゼロ金利である今のうちに、日銀は買いオペによって市中の国債を回収しておけば良い」のだそうです。
今は年に60兆円のペースで日銀が国債を買い入れていて、バランスは20兆円の赤字とか。差し引き40兆円の借金が減り続けているので18年後には720兆円の減少…つまり借金は消滅する、という計算です。
通常はこの方法を行うと(貨幣が増えるので)インフレになる「はず」なのですが、不思議とインフレ率は0.9%(2018)。日銀の目標である2%に届いていないとのことでした。
全く専門外なのでよく分かりません(笑)が、「日銀のインフレ率」「インフレターゲット」などで検索してみるとどうやら今も、まだまだ2%には届きそうもないみたいです。
これはこれで、きっと問題なんでしょうね…庶民には実感が湧きませんが(^^;) でも、それが借金減らしに役立つのであれば、今のうちに!? 出来るだけ減らしておいていただけると嬉しい&安心ですね。
② BIの財源として、税金以外のもの「貨幣発行益」
BIの財源として考えられるのは第一義的には「税金」になりますが、それ以外の財源として「貨幣発行益」が考えられるとのこと。
前述のインフレ率の話に戻りますが、これを2%に近付けるためにはお金をもっと世の中に出回らせなければなりません。国民にもっとお金を配り、市場に回してもらわないと…ってことでしょうか。
お金の流れって、通常は中央銀行→民間銀行→企業→庶民(笑) となっていますが、もうひとつ政府→庶民 という流れを加えることが(なんと!!)できるのです。
政府/中央銀行が発行するお金と、製造コストとの差額…紙幣10000円なら原価20円として9980円…が「貨幣発行益」になります。それを財源として国民配当的にBIを実施することも可能なのだそうです。
ただし、インフレ率や失業率に応じてなされるコントロールと連動して、BIの金額は上下することになります。そのためこちらは「変動BI」として取り扱い、税金を財源とするものを「固定BI」とすることを提案されていました。
③ 「銀行中心の貨幣制度」…実は民間銀行も「貨幣」を生み出している
貨幣を生み出しているのは中央銀行だけではなく、民間の銀行も同じ、というお話です。言われてみれば確かに…
銀行は「部分準備制度」(法定準備金)を最大限に活かしてお金を貸し出すことができます。なので、実際に持っている以上のお金を「信用創造」することができますよね。
つまり、民間の銀行は政府と同じように「貨幣を生み出す」ことができてしまっているのです。
このことは、庶民が銀行からお金を借りて利子まで払って…というお金が、本来なら(部分準備制度ではなく、100%準備制度であれば)国から直接配当が受け取れる「はず」のお金だった、ということを意味しています。
貨幣発行益をきちんと本来受けとるべき人(庶民)が受け取るためには、銀行による信用創造を廃止して、政府のみが貨幣を発行できるように整備することが必要なんですね。これも目から鱗! でした。
早くそうなって、BIを実現させてほしいものです(笑)
こうして専門家の話を詳しく伺ってみると、まんざらBIって「夢物語」ではなくて「やろうと思えばいつでもできる」ってレベルの話じゃないの!? と思うのです。
以前、話題にしたことがある「子ども食堂」や「子どもの貧困」といった問題も、BIが導入されれば広く・確実に良い方向に向かうはずだと思います。
そして今回、自分がこの本で最も感銘を受けたのは、著者・井上先生が繰り返し「弱者に対するやさしさ・温かい心を持つことの必要性」を論じていらしたことです。
「働かざる者食うべからず」ではなく、「働かざる者飢えるべからず」。誰もが当たり前に幸せに生活できるように…という「願い」を、拝読していて強く感じました。
普通に働くことができて、集中して物事に取り組むことができて、そのおかげでまぁ生活に困らない…これって、単に「自分はラッキーだから」という考え方。
逆に「引きこもりになってしまった人」「ギャンブル依存で財産が無くなってしまった人」などは、ある意味ハンディキャップを背負っている、アンラッキーな人、と考えること。
ギャンブルがやめられない人と、全く興味のない人…その違いは偶然・たまたま・幸か不幸か、ということですね。この見解、完全に同意!! です。
自分もギャンブルには全く興味がなく(笑)、肉も子どものときから食べられずw 普通に集中して物事に取り組むのが苦ではないタイプ…だからまぁまぁ普通に「生活に困らず生きていられる」のだと思います。(あ、肉云々は関係ありませんね!)
でも世の中にはそうではない人もたくさんいて、それを「自己責任」と切り捨ててしまう現状が果たして良いと言えるのか。
やはり私も井上先生の見解に深く、心から賛同します。みんなで足りない部分を補い合い、助け合うことで(たとえ三次元の世界でも(^^;)) 少しは住みやすい世界にしていけるのではないかな、と思うのです。
BIが導入されても、しばらく(当面仕事を続けている間は)特に自分に「お金の面でのメリット」はないかもしれません。
それでも、間接的に誰かの役に立っている! 子ども達がお腹を空かせたまま辛い気持ちで過ごすこともこれでなくなる! ということが、お金では得られない「幸せ」を自分にもたらしてくれると思います。
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